行動療法と従来の心理療法との違い
- 従来の心理療法は、多かれ少なかれフロイトの精神分析の影響を受けていて、こころの構造を仮定し、こころの大部分は無意識によって動かされていると考えているのに対して、行動療法ではこころは脳の働きであって無意識と言うのは脳の活動が習慣化した状態だと考えます。
- もう一つの違いは、例え過去の経験であったとしても、総ての現象は現在の脳活動だとしている点です。たとえば昔見た富士山を思い出したとしても、それは過去の出来事ではなく、今将に働いている現在の脳の働きであるとします。性格は単なる習慣の束に過ぎず、総てをその子の性格の所為にしてしまうのではないのです。性格は現在のその子の行動に影響を与えるとしても、訓練や経験を通じて幾らでもその性格を換えることができるのだと考えます。
- もっと根本的な違いは、仮説はあくまでも仮説に過ぎず、実証されない限りは仮説だけが一人歩きすることはないのです。
- 事実の前には理論や考え方は、それがどのように名のある人の主張であっても、一文の値打ちもないものと考えていることです。意識も無意識も実在するものではなく架空のものに過ぎないと考えます。昔、自閉症心因論が蔓延したことがありますが、親の扱いがもとで自閉症になるとの証拠はどこにもなく、生まれつき、あるいは生後まもなくの脳そのものの障害であるとの証拠が提出されました。
- テレビを見せて自閉症になるとか、親の扱いによって自閉症になるといった証拠はどこにもなかったのです。